運送業の許可について、許可を得て実際に運行を開始するためには、申請の他にもヒト・モノ・カネの準備することがたくさんあります。
これは、基本法となる道路運送法の目的である「輸送の安全を確保し、利用者の利益保護と道路運送の適正かつ合理的な運営を図ること」を実現するために設けられていると考えられます。
運送業を始めるために必要な「ヒト」
(1)ドライバー
ア 業務
・車両の運転 など
イ 必要人数
・車両1台につき1人が原則(国土交通省)だが、ドライバーの週1日の公休を勘案し、「ドライバー数=車両数×1.2」以上が必要
ウ 条件
・申請時に雇用している必要はない
・日雇いはNG
・最低半年以上の雇用契約が必要
・最終的には申請先の運輸局、申請内容により個別の判断がある。
(2)運行管理者
ア 業務
・安全運行の責任者
・乗務スケジュールの作成
・休憩、睡眠施設の保守管理
・運転者の指導監督
・乗務時点呼(疲労、健康状態等の把握、安全運行にかかる指示)
※詳細は、槓子自動車運送事業輸送安全規則第20条
イ 必要人数
・「運行管理者数=(車両数÷30)+1」以上
ウ 条件
・常勤者であること(×パートタイム、派遣労働者、ドライバー兼務)
・運行管理者試験に合格した者、または、運行管理に関する業務に5年以上の実務経験があり、かつ、その間に規定回数、規定種類の運行管理の講習を受講した者
(3)整備管理者
ア 業務
・自動車の点検、整備
・自動車車庫の管理
イ 必要人数
・1名以上
・最終的には申請先の運輸局、申請内容により個別の判断がある。
ウ 条件
・1~3級の自動車整備士技能検定に合格した者
・同種自動車の点検・整備または整備管理に関する2年以上の実務経験かつ地方運輸局長が実施する「整備管理者選任前研修」の修了した者。
【参考】始めるための最低必要人数(車両台数が最低の5台の場合)
ドライバー 6名、運行管理者 1名、整備管理者 1名
運送業を始めるために必要な「モノ」
(1)車両・・・最低5台。購入でなくてもリースで可。軽自動車は不可。車検証の用途が「貨物」であれば、ワゴン車、トラックなどでも良い。
(2)営業所・・・原則、2年以上の使用権限がある建物。面積要件あり。
(3)休憩施設、睡眠施設・・・営業所か車庫に併設。睡眠施設は、1人あたりの面積が2.5平方メートル以上
(4)車庫・・・原則、営業所に併設。地方運輸局により例外あり。2年以上の使用権限。車両制限令に適合していること。土地利用にかかる他の法令に適合していること。
運送業を始めるために必要な「カネ」
自己資金として現預金が確保されていることを証明する「残高証明」が必要。必要な資金を計算するシートが地方運輸局に用意されている。それを超える資金のあることを申請時に残高証明で証明することになる。
申請後-事業開始後
〇許可申請後から事業開始までに準備
・法令試験・・・事業を始める人や責任者レベルの人の合格が必要。
・許可証交付後には、「ヒト」の雇用周りの事務、車両の準備(緑ナンバー変更含む)、料金設定届、運輸開始前届、法定帳簿の準備 など
〇事業開始後
・事業報告書(100日報告)
・認可、届出の変更
・運用管理者、整備管理者の専任、解任届
・巡回指導対応
・特殊車両通行許可
以上のように、運送業を始めるには多くの準備事項があります。
また、事業を始めた後も安定した運行を確保するため、変更のある都度に変更を届け出るなどが必要です。
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