行政書士改正について④

改正行政書士法が2026年1月から施行されました。
主な条文を改正前後の比較、解説を行っていきます。

【新旧対照】

改正前
第二十一条の二
(なし)

第二十三条の三
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第一号の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。

改正後
第二十一条の二
第十九条第一項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

第二十三条の三
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

【解説】
今回の改正で最も注目されていた第十九条についてを含む罰則規定です。
その特徴は、第二十三条の三にある「その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。」という内容内容です。これはいわゆる「両罰規定」と言われているものです。

「両罰」の意味は、少しややこしく、①行政書士の行為を役所へ実施した人(行政書士資格を有しない)と②その実施した業務の元となった法人や人の2者についてという意味合いです。したがって、これらの人の他に、③として、②に業務を依頼した人(②の顧客)も存在しうる場合がありますが、この場合の③は「両罰」の対象外です。

①(イメージ:②の従業員等を想定)→罰あり
②(イメージ:①の所属する会社組織等を想定)→罰あり
③(イメージ:②に業務を依頼した個人・法人を想定)→罰なし

ちなみに、③から①に②を飛び越して、直接依頼した場合は、①と③が「両罰」の対象になります。
(上記の場合の③が②になっているため)

分かりやすい例としては、自動車を購入する際の“車庫証明の取得”がしばしば挙げられます。その場合の上記例への対応は次の通りです。

①警察署に車庫証明申請を出したB社従業員Aさん →罰あり
②Cさんと自動車の購入契約を結び、Aさんに車庫証明申請を行わせるB社 →罰あり
③車庫証明手続きも含めて、B社と自動車の購入契約を行った顧客Cさん →罰なし

なお、この法律は、「指示した」、「指示していない」といった視点は含まれていないことが、「両罰」に次ぐポイントです。
上記例では、B社が「社として指示はなく、Aさん勝手にやったこと」と言い訳できないようになっています。

この車庫証明の例では、法律遵守の前提としてリスクとベネフィットを比べても、「百万円以下の罰金」のリスク、法律順守意識の低い企業であるとの信頼低下のリスクを取ってまで自社での申請にベネフィットはないのではないでしょうか。

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