今回は、IT関連で起業される方や、新たにオンラインサービス(全てのIT関連、オンラインサービスではない)を立ち上げる際に必要な「電気通信事業」の手続きについて、「どのような場合に登録や届出が必要になるのか」という点に絞って考察していきます。
概要
IT関連サービスを始めようとした場合に、電気通信事業の登録や届出が必要な場合があります。
「自分たちのサービスは総務省への届出が必要なのか?」というと、基本的には次の通りです。
“「他人の通信を媒介する」あるいは「電気通信設備を設置し、他人の通信の用に供する」サービスを、「利益を得ようとして」(※実費徴収含む)提供する場合”
・・・なかなかわかりにくいと思います。電気通信事業の登録・届出については、手続きの難易度というよりも、それが必要かどうか、があたまを悩ませるポイントとなっています。
手続の種類
手続きには大きく分けて「登録」と「届出」の2種類がありますが、その違いは主に事業の規模や設備の公共性にあります。
| 種別 | 対象 | 手続 |
| 登録 | 都道府県、市町村の市町村の区域を超えるものなど大規模な電気通信設備を設置する場合 | 審査があり、基準を満たす必要がある→申請から登録まで時間がかかる |
| 届出 | 登録に該当しない一般的な事業 | 書類が整っていれば、受理される→受理されれば、事業開始可能 |
手続きが必要となるケースの分析
「何となくITサービスを始めたら、実は電気通信事業に該当していた」というケースは少なくありません。具体的にどのような要素が判断基準になるのか、特徴をいくつか挙げていきます。
1 「他人の通信」を扱っているか
自社内での利用(社内LANなど)は対象外です。あくまで「他者と他者」、あるいは「利用者と外部」の通信を成立させる役割を担っているかどうかがポイントです。
2 「媒介」にあたる行為があるか
メールサービスや掲示板、チャット機能などが典型例です。単に情報を表示するだけでなく、ユーザー同士がメッセージをやり取りする仕組みを提供している場合は注意が必要です。
3「有償性」の判断
「無料で提供しているから大丈夫」と思われがちですが、広告収入を得ている場合や、他の有料サービスに付随して提供している場合は「有償」とみなされます。
判断が難しい「境界線」
最近のWebサービスでは、どこまでが「情報の提供(放送に近い)」で、どこからが「通信の媒介」なのかの境界が非常に曖昧になっています。例えば、単なるマッチングサイトでも、サイト内で個別にメッセージが送れる機能(ダイレクトメッセージなど)があれば、それは電気通信事業に該当する可能性が高いとされています。
注意事項
手続きを検討するにあたって、以下の点に注意が必要です。
スピード感との兼ね合い
サービスを開発する際に、見落としがちな手続きです。
行政手続きには一定の時間が必要です。届出自体は書類が整えば受理されますが、余裕を持った準備が不可欠です。
法改正への対応
生成AIやクラウドサービスの普及など、変化の速い分野であるため、受付を行っている側も日々アップデートされていきます。「以前は大丈夫だった」という判断は危険です。
罰則の存在
無登録・無届出での事業運営には、懲役や罰金といった厳しい罰則や行政処分が規定されています。また、コンプライアンス(法令遵守)が重視される昨今、行政処分に留まった場合でも、その公表により大手企業との取引や銀行融資で不利となる実務上のリスクも大きくなります。
まとめ
電気通信事業の登録・届出は、要・不要の判断がつきにくいのですが、事業の信頼性を担保するためには欠かせないステップです。特に、独自のプラットフォームやSaaSを展開しようと考えている起業家の方にとっては、事業計画の初期段階で「法的スキームの確認」を行っておくことが、後の大きなトラブルを防ぐ鍵となります。
手続きの要・不要の判別が難しくなっているため、総務省のこちらのウェブサイトにその判断方法や判断例が手厚く記載されています。これを注意深く読み込み、判断しなくてはなりません。
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