前回までで、ドローン飛行のルール全体像と、機体登録・ライセンス・機体認証の3つの資格系手続きを確認しました。
最終回となる今回は、実際の許可・承認申請の流れと、許可を取った後に求められる継続的な義務を解説します。
申請はDIPS2.0からオンラインで
許可・承認の申請は、原則として国土交通省のオンラインサービスDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)から行います。DIPS2.0で扱えない申請内容に限って、書面申請が可能です。
申請は飛行開始予定日の10開庁日前まで(土日祝を除く約2週間前)に提出する必要があります。余裕を持って準備しましょう。なお、許可等の期間の更新を行う場合は、期間満了日の40開庁日前から10開庁日前までの間に申請します。
申請先は飛行内容によって異なる
| 申請内容 | 提出先 |
|---|---|
| 空港等周辺・緊急用務空域・地表から150m以上の空域での飛行(許可) | 東京空港事務所長または関西空港事務所長 |
| 上記以外の飛行禁止空域での飛行(許可)、または飛行方法に関する承認 | 東京航空局長または大阪航空局長 |
申請先は飛行場所の管轄によって東京・関西のいずれかに振り分けられます。
飛行区域が両管轄にまたがる場合など複雑なケースは別途定めがありますので、審査要領を確認してください。DIPS2.0上でも入力内容に応じて案内されるため、まずシステムの画面を参照するのが早道です。
申請に必要な主な書類
申請書には、飛行の目的・日時・経路・高度のほか、機体の登録記号や認証番号、操縦者の技能証明番号などを記載します。必要書類や入力項目は、使用する機体・飛行内容・操縦者資格の有無によって異なります。最新のDIPS2.0の画面と審査要領に従って確認してください。
代表的な添付書類の例としては次のものがあります。
・飛行マニュアル:安全確保のための体制を記載した文書
・機体に関する書類:機体認証の有無や飛行形態によって異なる
・操縦者に関する書類:技能証明の有無や飛行形態によって異なる
・地図上に飛行経路を示した資料
このうち飛行マニュアルが、初めての申請で最もハードルになりやすい書類です。ただし、国土交通省が公開している「航空局標準マニュアル」を使用すると宣言すれば、独自のマニュアルを作成せずに済みます。事業を始めたばかりの段階では、まず標準マニュアルを活用を検討してみてください。
許可が下りた後も義務は続く
許可・承認を取得したら終わり、ではありません。飛行中・飛行後にも以下の義務があります。
飛行前:飛行計画の通報
特定飛行を行う場合、DIPS2.0の「飛行計画通報機能」を使ってあらかじめ飛行計画を通報する義務があります。これにより、同じ空域を飛ぶ他の無人航空機や有人航空機との情報共有が図られます。
飛行中:許可書の携行
飛行の際は、許可書または承認書の原本か写しを携行しなければなりません。行政機関から確認を求められた際に、すぐ提示できるよう備えておきましょう。
飛行ごと:飛行日誌の記録
特定飛行を行う場合、飛行のたびに飛行日誌へ記録することが義務付けられています。また、定期的な機体の点検・整備とその記録も必要です。飛行日誌もDIPS2.0上で管理できます。
事故発生時:速やかな報告
飛行に関連して一定の事態が発生した場合は、速やかに国土交通省へ報告する義務があります。報告もDIPS2.0から行えます。報告が必要な主な事態は以下のとおりです。
・人の重傷以上の死傷(事故)、または軽傷の死傷(重大インシデント)
・第三者所有物の損壊
・航空機との衝突・接触、またはそのおそれ
・機体の制御不能
・機体の発火(飛行中に発生したもの)
(国交省への報告はDIPS2.0から行いますが、それだけでは不十分です。負傷者が出た場合の救護手順、警察・消防への連絡先、緊急着陸場所の選定、社内の非常時連絡体制——これらを飛行マニュアルにあらかじめ記載し、整えておくことが義務付けられています。)
事業としてドローンを使うということ
3回にわたって、ドローン飛行に関わるルールと手続きを見てきました。「許可を取るだけ」ではなく、飛行計画の通報・日誌の記録・事故報告まで含めた継続的なコンプライアンスが事業者には求められます。
煩雑に感じるかもしれませんが、業務を行うためには越えなくてはならないハードルです。ドローンはまだ普及途上の技術です。ルールに則って適切に運用することで、今後、余計な規制が生まれないようにしていく方がドローン業界にとって有益であると考えます。
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