ドローンを使った空撮、測量、インフラ点検、農薬散布——近年こうした事業への関心が高まっています。しかし「とりあえず飛ばしてみよう」は禁物です。日本では航空法によって無人航空機の飛行に関するルールが定められており、違反した場合は懲役または罰金の対象になります。
「特定飛行」とは何か
航空法では、一定の空域での飛行や一定の飛行方法を「特定飛行」と定義し、原則として国土交通大臣の許可または承認を受けることを義務付けています。
大きく分けて「飛ばしてはいけない空域」と「原則NGな飛行方法」の2つの観点から「特定飛行」とされます。
飛ばしてはいけない空域(許可が必要)
*地表・水面から150m以上の高さの空域(高層建物から30m以内を除く)
*空港等の周辺空域(進入表面・水平表面などが設定されている)
*緊急用務空域(災害時の救助ヘリ等が活動する空域。山火事など発生時に随時指定される)
*人口集中地区(DID)の上空(令和2年国勢調査ベース。都市部のほとんどが該当)
自分の私有地であっても、これらの空域に当たる場合は許可が必要です。
原則NGな飛行方法(承認が必要)
- 夜間飛行(日没〜日出の間)
- 目視外飛行(モニター監視やFPV飛行など)
- 人・物件から30m以内の飛行
- 催し場所の上空(祭礼・イベントなど多数の人が集まる場所)
- 危険物の輸送
- 物件の投下
事業用のドローン飛行では、これらのうち複数に同時に該当するケースも珍しくありません。
飛行は3つのカテゴリーに分類される
特定飛行は、リスクの高さに応じてカテゴリーⅠ〜Ⅲに分類されます。
| カテゴリー | 内容 | 手続 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 特定飛行に該当しない飛行 | 許可・承認不要 |
| Ⅱ | 特定飛行のうち、飛行経路下に立入管理措置を講じた飛行(第三者の上空を飛ばない) | 条件次第で許可・承認が必要 |
| Ⅲ | 特定飛行のうち、立入管理措置なしに行う飛行(第三者の上空で飛行する) | 個別の許可・承認が必要 |
※立入管理措置とは、飛行経路の下に第三者が入らないよう補助者を配置したり、区画を設定したりすることです。
まず「自分の飛ばし方」を確認しよう
ここまで読んで、「自分の仕事はどのカテゴリーに当たるのか」をイメージしてみてください。
たとえば:
- 橋梁点検のために橋の下を飛ばしたい → 人・物件から30m以内になる可能性が高い(承認必要)
- 農地に農薬散布をしたい → DID外なら空域は問題ないが、自動飛行なら目視外飛行の承認が必要になる場合も
- 都市部でビルの外壁を撮影したい → DID上空+人・物件から30m以内の該当になりやすい
「許可がいるかどうか」を自己判断するのが難しいと感じたら、国土交通省が提供するオンラインサービス「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」を入口として使うのが現実的です。
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