前回は、ドローン飛行に関わる「飛行ルールの全体像」を紹介しました。今回は、許可・承認申請の前提となる3つの手続き――機体登録、操縦士技能証明(ライセンス)、機体認証――を整理します。
これらは「持っていなければ飛ばせない」ものと「持っていると申請が楽になる」ものが混在しているので、頭を整理しながら確認していきましょう。
① 機体登録(全員必須
100g以上の無人航空機を飛行させるには、機体の登録が必須です。登録するとJA英字から始まる登録記号が発行され、機体への表示と、リモートIDの搭載(または免除申請)が求められます。
登録はDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)からオンラインで行えます。有効期間は3年で、更新が必要です。許可・承認申請書にも登録記号の記載が必要なので、まずここから始めていきます。
② 操縦士技能証明(ライセンス)
いわゆる「ドローンの免許」です。国家資格として一等と二等の2種類があります。
| 項目 | 一等 | 二等 |
|---|---|---|
| 対象飛行 | カテゴリーⅢ飛行(第三者上空) | カテゴリーⅡ飛行の一部 |
| 取得難度 | 高い(学科・実地・身体検査) | 一等より易しい |
事業でドローンを使い始める段階では、まず二等を取得するのが現実的な選択肢です。
ライセンスの有無によって申請書類の省略範囲が変わります。技能証明を持っていれば、「飛行経歴・知識・能力確認書(様式3)」の添付や、確認事項の記載を省略できます。持っていない場合は、10時間以上の飛行経歴や知識・能力を自ら証明する書類を用意する必要があります。
ライセンスの取得は国土交通省が登録した講習機関で受講後、指定試験機関の試験を受ける流れです。費用や期間は講習機関によって異なります。
③ 機体認証
機体そのものの安全性を国が認証する制度です。第一種と第二種の2種類があります。
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 対象飛行 | カテゴリーⅢ飛行 | カテゴリーⅡ飛行の一部 |
| 認証方法 | 型式認証または個別認証 | 同左 |
機体認証を取得していると、許可・承認申請の際に「機体の機能・性能に関する基準適合確認書(様式2)」の添付を省略できます。また、認証の範囲内の飛行であれば、飛行形態ごとの追加基準への適合書類も省略可能です。
市場に流通している主要なドローンメーカーの機体については、型式認証を取得しているものが増えています。購入時に確認しておくと、後の申請手続きが大幅に楽になります。
3つの関係をまとめると
| 手続 | 必須か | 持つとどう得か |
|---|---|---|
| 機体登録 | 全員必須 | ―(登録しないと飛ばせない) |
| 技能証明(二等) | 任意 | 申請書類の一部を省略できる |
| 機体認証(第二種) | 任意 | 申請書類の一部を省略できる |
技能証明と機体認証の両方を持ち、認証の範囲内で飛行する場合には、カテゴリーⅡ飛行の一部について個別の許可・承認申請が不要になるケースもあります。事業として反復継続的に飛行させるなら、早めに取得を検討する価値があります。
窓口はDIPS2.0に一元化されている
機体登録も、許可・承認申請も、飛行計画の通報も、すべてDIPS2.0(ドローン情報基盤システム) から手続きできます。アカウントを作成しておくと、申請状況の管理もまとめて行えるので、事業開始前に登録だけでも済ませておくことをおすすめします。
次回はいよいよ実際の許可・承認申請の流れと、飛行後に必要な義務について解説します。
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