PMH(Public Medical Hub)は、医療機関の方であればご存じの方も多いと思われますが、デジタル庁が2023年度に開発した「自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム」です。医療費助成、予防接種、母子保健といった自治体が実施する各種制度において、これまで紙でやり取りしていた情報をデジタルで連携することを目的としています。
これまで、子どもの医療費助成を受けるには「受給者証」を毎回持参する必要があり、紛失・忘れた場合は一旦全額負担になるケースもありました。予防接種や乳幼児健診でも、紙の接種券や問診票の記入が欠かせませんでした。PMHはこうした紙ベースの運用から生じる住民・自治体・医療機関それぞれの負担を解消するために設計されています。
PMHでできること
PMHが対象とする分野は大きく「医療費助成」と「予防接種・母子保健」の2つです。
医療費助成分野
マイナンバーカード(マイナ保険証)を、医療費助成の受給者証や診察券として利用できるようになります。子ども医療費助成やひとり親家庭等医療費助成などの対象者は、対応医療機関・薬局を受診する際にマイナンバーカード1枚を提示するだけで、受給者証の提示を省略できます。
予防接種・母子保健分野
スマートフォン等を使って事前に予診票や問診票を入力し、マイナンバーカードを接種券・受診券として利用できるようになります。また、マイナポータルから接種勧奨・受診勧奨を受け取れるほか、接種履歴や健診結果をリアルタイムで確認することも可能です。接種忘れや健診の見逃し防止にも役立ちます。
導入の広がり
参加自治体数は2024年度末時点の183自治体から、2026年5月時点では604自治体へと大幅に拡大しており、全自治体数622への到達が目前に迫っています。PMHが利用可能な医療機関・薬局数も、2025年4月時点の約2.5万施設から2026年3月には約6.9万施設へと急増しており、全国的な普及が進んでいます。
医療機関・薬局側の導入方法
PMH対応には、オンライン資格確認システムの導入が前提です。その上でレセコン(レセプトコンピュータ)のシステム改修を行い、改修完了後にオンライン資格確認等システムの設定画面で「利用する」を選択することで利用規約に同意したものとみなされ、運用を開始できます。自院のシステムベンダーがPMHに対応しているかどうかは、デジタル庁が公開している対応ベンダー一覧で確認できます。
導入にかかる費用と補助金制度
PMH対応のレセコン改修には費用が発生しますが、補助金制度が設けられており、負担を大きく軽減できます。(当初の申請期限を延長して継続的に応募を受け付けているようです)
まとめ
PMHは、患者が「カードを忘れた」「受給者証を更新し忘れた」といったトラブルを防ぎ、受診手続きをシンプルにする取り組みです。医療機関・薬局にとっても、受給資格の確認作業の効率化が期待できます。オンライン資格確認をすでに導入している医療機関・薬局であれば、レセコンの対応状況を確認するところからすぐに準備を始められます。
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