医療費助成のオンライン資格確認についての医療機関・薬局向けシステム改修補助金について

マイナ保険証への移行が進むなか、医療費助成(公費負担医療や自治体独自の医療費助成)についても、マイナンバーカード1枚でオンライン資格確認ができる仕組みの整備が進んでいます。これに伴い、レセプトコンピューター(レセコン)や再来受付機の改修費用を対象とした補助金の令和8年度分の申請受付が始まっています。以前、当ブログの記事「PMH(Public Medical Hub)とは」(https://yamauchi-t-blog.com/archives/284)で補助制度があることをご紹介しましたが、今回はその内容を踏まえつつ、令和8年度版の最新情報として改めて整理します。

制度の概要

この補助金は「地域診療情報連携推進費補助金(医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業)」として、社会保険診療報酬支払基金が国からの補助を受けて実施しているものです。対象となるのは、医療保険のオンライン資格確認を実施できる体制を既に、または申請までに整えている保険医療機関等(病院・診療所・薬局)で、次のいずれかの改修を行った場合に補助金が交付されます。

①医療費助成の受給者証情報をオンラインで取得するためのレセコン改修
②受給者証情報の取得に加え、マイナ診察券での受付を可能にするためのレセコン・再来受付機等の改修
③マイナ診察券での受付を可能にするための改修

なお、厚生労働省の説明によれば、令和8年3月末時点で全国622自治体(41都道府県、581市町村)がこの取組みに参加しており、約6.9万の医療機関・薬局でレセコン改修が完了しています。

補助額の目安

病院

受給者証情報取得のみで再来受付機改修を含まない場合は28.3万円(事業費56.6万円上限の1/2)、再来受付機改修を含む場合は60.0万円(事業費120万円上限の1/2)

診療所

5.4万円(事業費7.3万円上限の3/4)

薬局(大型チェーン薬局以外)

5.4万円(事業費7.3万円上限の3/4)※薬局は、上記①のみ

薬局(大型チェーン薬局)

3.6万円(事業費7.3万円上限の1/2)

いずれも千円未満は切り捨てとなります。受給者証と診察券の改修を別々のタイミングで行った場合でも、申請は一括で行う必要がある点に注意が必要です(複数回の申請は認められません)。

医療機関・薬局にとってのメリット

患者にとってはマイナンバーカード1枚で受診・受給者証の提示が完結し利便性が向上しますが、医療機関・薬局側にとっても、公費負担者番号や自己負担上限額などの情報をオンライン資格確認経由で自動的に取得できるようになるため、窓口での手入力や資格確認に伴う事務コストの削減が期待できます。レセコン改修は一度実施すれば継続的にメリットを享受できる投資であり、今回のタイミングでの改修は検討に値します。

申請期限が迫っています

令和8年度の申請受付期間は2026年5月15日から2026年9月30日までです。昨年度と比べて申請期間が短く設定されているため、改修が完了し、必要書類(領収書、領収書内訳書、システム改修に係るチェックシートなど)が整い次第、早めの申請が推奨されています。申請期間より前に改修を行った場合でも対象になりますので、既に改修を終えている医療機関・薬局は、忘れずに申請したいところこです。

また、申請に間に合うように今から対応したいという場合には、改修の検討からベンダーとの調整、書類の準備には一定の時間がかかります。「まだ着手していない」という経営者・情報システムご担当者の方は、締切から逆算して、できるだけ早めにレセコンベンダーへの相談を始めることをおすすめします。

詳細情報の確認先

・厚生労働省ホームページ(医療機関・薬局、レセコンベンダ向けの情報) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryouhijosei-iryoukikan.html
・デジタル庁ホームページ(運用開始済自治体の一覧) https://www.digital.go.jp/policies/health/public-medical-hub#progress

補助金の活用によって初期投資の負担を抑えつつ、医療事務の効率化と患者利便性の向上を同時に実現できるこの機会に、ぜひ前向きにご検討ください。

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