前回の記事では、ITツール登録の仕組みやカテゴリー体系、登録要件・対象外のケースを解説しました。今回は、実際の登録申請に必要な提出資料と、登録後に活用できる営業上のメリットを中心にお伝えします。
登録申請に必要な提出資料
ITツールの登録申請時には、主に以下の3種類の資料をPDFまたはJPEGで提出します。
大分類ごとに記載すべき内容が異なりますが、カテゴリー1(ソフトウェア)では以下が必須です。
・ITツールの正式な製品名・プラン名・開発メーカー名
・画面キャプチャ(ITツール名が確認できるもの)
・機能一覧・機能概要図(対応するプロセスをマーカー等で明示)
・業務フロー図(どの業務にどう役立つかがわかるもの)
・ITツールの利用方法
なお、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を有する場合や、AI機能を搭載している場合も、該当箇所をマーカー等で明示する必要があります。スマートレジに該当する場合は、インストール可能な端末の写真掲載も必須です。
料金表・カタログ・プラン一覧など、価格が客観的に確認できるものが必要です(見積書は不可)。税抜・税込の別を明記し、上限が定められた表記(「1,000円〜」のような下限のみの表記は不可)であることも求められます。また、過去の導入事例・実績を示す資料も必要です。
大分類Ⅲ役務(コンサルティング・研修・保守等)の場合は、役務業務ごとの作業内容の詳細説明と、従業員ごとの時間単価×時間数による価格内訳の算出が必要です。なお、時間単価は1万円以下が条件です。
市場価格を大幅に上回る価格設定の場合に提出を求められます。類似ツールとの価格・機能比較表などにより、価格設定の理由を具体的に説明する必要があります。
登録申請の手順と審査の流れ
申請はIT導入支援事業者が「IT事業者ポータル」から電子申請で行います。申請開始は2026年1月30日で、終了時期は事務局ホームページで随時公開されます。審査は事務局および外部審査委員会が行い、結果はポータル内またはメールで通知されます。
補助金対象ツールとして登録することの営業上のメリット
ITツールを登録することは、営業活動における大きな武器にもなります。
登録ツールはポータルサイトの「ITツール検索」に掲載されるため、補助金活用を検討している中小企業・小規模事業者への露出が生まれます。補助金導入を検討している事業者が自分でツールを探す際にこの検索機能を使うことも多く、意欲旺盛な新規の見込み顧客との接点が自然に生まれる点は大きなメリットです。
また、提案時に「補助金が使えるツール」であることを伝えられれば、導入コストへの不安を軽減し、商談の後押しになります。補助率は枠・類型によって異なりますが、最大4分の3(小規模事業者は5分の4)に達するケースもあり、お客様にとって非常に魅力的な条件です。初期投資の負担が大幅に下がることで、これまで導入をためらっていた事業者へのアプローチにも有効です。
まとめ
ITツール登録は、書類準備の手間はあるものの、一度登録すれば補助金を活用した営業提案の幅が広がります。機能説明資料・価格説明資料それぞれの記載要件を正確に押さえ、審査がスムーズに通るよう準備を整えておきましょう。
なお、登録済みのITツールは内容に変更が生じた場合、変更申請が必要です。また、登録内容に虚偽や不正が判明した場合は登録取消となり、IT導入支援事業者としての登録自体にも影響が及ぶ可能性があります。登録後も適切な管理を続けることが大切です。
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